Hermes Agent v0.14.0(2026年5月時点)の構成記録です。
GitHub Actions の schedule が信頼できないと気づいたのが最初のきっかけだった。毎日決まった時刻に動いてほしいスクリプトが、GHA の cron だと「遅延する」「スキップされる」という既知の挙動がある。自分のユースケースには向いていなかった。
じゃあどこで動かすか、と考えたとき、選択肢は意外と少なかった。Lambda や Cloud Scheduler はトリガーが必要で「常に起きていて話しかけられる」構成にならない。自宅 PC は電源を切る。VPS だけが「常時起動・低コスト・自分で制御できる」三つを同時に満たしていた。VPS を借りたのはその理由で、エージェントの話はその後だ。
なぜ Hermes Agent を選んだか
NousResearch/hermes-agent は OSS の CLI エージェントで、Discord・Telegram・CLI から操作できる。バックエンドは Claude API。
選んだ理由は二つ。ひとつは Discord DM からファイルを読んで返事してくれること。専用 UI を作る必要がなく、スマホから話しかければいい。もうひとつは SOUL.md という仕組みで、エージェントの動作ルールを Markdown で書いて制御できること。
「なぜ他のエージェントでなく Hermes なのか」という問いへの答えは正直まだ弱い。比較検証ができていないので省く。試して動いた、それだけだ。
セットアップで詰まったこと
インストールはスクリプト一発で終わる。環境変数を設定して、systemd のサービスファイルを書く。ここまでは順調だった。
詰まったのは起動コマンドだ。hermes start というコマンドが存在しない。正しくは hermes gateway run --replace で、--replace は再起動時の二重起動を防ぐフラグ。ドキュメントをちゃんと読めという話だけど、エラーログを追いながら気づくまで少し時間がかかった。
あとは SOUL.md の書き込みを SSH の heredoc でやろうとしたら、バッククォートが shell に解釈されてエラーになった。Python3 でファイルを直接書くように切り替えて解決した。細かいことだけど、こういう詰まり方をする。
自分のプロジェクト用に設定を設計した
OSS をそのまま動かすのでなく、自分の使い方に合わせて設定を絞った。
toolset は [file, todo, cronjob] に限定した。web 検索や terminal 実行は外している。SOUL.md にはアクセス可能なパスの制限と禁止操作を書いた。.env を読ませない、git push を自動実行しない、など。「設定ファイルだけでカスタマイズできる」設計のおかげで、本体のコードには触れていない。
動いたとき、「これで十分だ」と思った
実際に使えると確認したのは3パターンだ。
ファイルを読んで要約してもらう。特定ディレクトリの最新ファイルを3行にまとめてもらう。「毎朝9時にこのメッセージを送るタスクを登録して」と DM に書いたら、翌朝9時に届いた。
cronjob が動いた瞬間に「これで十分だ」という感覚になった。「24/7 自律で動く AI」という響きが連想させる高度な自律性と、「DM に返事するだけのプロセスが常駐している」という実態の間に大きなギャップがある。でも自分が欲しかったのは後者だったので、全然問題なかった。
git の永続化だけ別途考える必要がある
エージェントがファイルを更新しても、push しないと VPS 上にしか残らない。ここは最後まで悩んだ部分だ。
VPS 上で systemd timer を使って 30 分ごとに push するのがシンプルな方法。ただ、ローカルからも push する構成だと競合が起きることがある。
自分が選んだのは、push の権限をローカル側の常駐プロセスに集約する方法だ。VPS はファイルを書くだけ、push はローカルが担う。ローカルマシンが常時起動しているならこちらが競合しにくい。どちらが正解かは環境次第で、「どこが push の権威か」を一点に決めることが大事だと思っている。
今後試したいこと
terminal toolset の有効化と、web 検索の有効化がある。terminal は SOUL.md がソフト制限でしかないので、制御範囲の設計を先に詰めたい。web 検索は EXA_API_KEY を設定すれば動く。コストとユースケースが釣り合うタイミングで試す。
サーバーチャンネルの @メンション対応は .env に DISCORD_ALLOW_BOTS=mentions を追加するだけで動いた。これは思ったより簡単だった。
こうしたエージェント運用の延長で、エンジニアのスキルを副業に活かす道もある。AI副業おすすめ7選に始め方をまとめているので、興味があれば参考にどうぞ。

